Works
- Title: 街の構造を受け継ぐ
- Name: 山家渉
- Date: 2015卒業制作
- Location: 神田淡路町
- Data: 「この小さな広場は、はたして使っていいのだろうか?」街に過ごしていると、こう感じる場所が非常に多い。そのような小さなオープンスペースの1つに、公開空地がある。本来、街の屋外空間を魅力的にするポテンシャルをもっているはずだが、私有地を公に開くという特殊な環境で生まれるため、曖昧な空間として都市の余白になっているものが多い。そこで、この曖昧な公開空地を接している歩道と一体的に計画して、よりパブリックな性格をもたせ、街中に点在する滞留空間として位置づけることで、街路空間と一体になった公開空地の在り方を提案する。そのプロトタイプとして、現時点で存在する公開空地を計画し直すことで、そのきっかけとしたい。
敷地はJR御茶ノ水駅の南東側、神田淡路町である。このエリアには既に多くの公開空地があるが、地区計画の変更にともなう再開発によって、今後さらに多くの公開空地が集積していくだろう。今、それらの公開空地を街に開いて計画することは、従来の地区ごとに公園が配置される街の風景とは全く違った、新たな、街のオープンスペース像を浮かび上がらせる。それは、この街を歩けば、どこにでも居場所がある風景である。