Works
- Title: 上野の影をつなぐ
- Name: 塩谷 伶
- Location: 東京都台東区 上野恩賜公園
- Date: 設計計画Ⅳ
- Data: 上野公園は博物館や美術館、動物園など多くの文化施設が存在する総面積約 53 万 m2の武蔵野台地に位置する自然豊かな公園である。江戸時代、公園の敷地 は江戸城の鬼門を封じるために建てられた寛永寺の境内であったが、1868 年、 上野戦争により大部分が消失し、1876 年に東京府公園にされて以来、万国博覧 会の会場として使用されたことをきっかけに文化施設が相次いで建設された。 現在、消失を免れた歴史的建造物は、公園内に散り散りになり、駅とは反対側 の不忍池に面した人通りの少ないエリアに密集する形になっており、上野公園 の影のような場所になっていると感じた。
そのエリアに存在し、公園側と不忍池側を遮る形で存在しているのが精養軒 である。精養軒は、3 階建て、約 3000 平米のレストランやカフェ、結婚式場が 入った建物である。公園と池の景観をつなぐことを目的に、現在の用途を残し ながら、精養軒の建て替え、および上野公園から不忍池を臨める広場を提案し た。