風景の中の跡地 〜地域の記憶を紡ぎだすグリコ工場跡地計画〜
Works
- Name: 落合 洋介
- Title: 風景の中の跡地 〜地域の記憶を紡ぎだすグリコ工場跡地計画〜
- Data: 現代都市の循環として工場や学校、商業施設が使われなくなって跡地となった場合、更地に一度戻されそこにマンションやハウスメーカーの住宅街、特徴のない公園になったりするのが現状である。
そこで跡地だからこそできることを考察し、様々なものを読み取った新しい場所の提案はできないのか。その研究として跡地利用の代表的な一例であるドイツのIBAエムシャーパークプロジェクトを調査し、その結果を参照し、制作につなげた。
長年、東京グリコ工場だった場所は『glico factory park』として食育を遊ぶ工場になる。江崎グリコの企業理念を表す商品である「グリコ」のおもちゃとお菓子の関係をここに落とし込む。子供は遊びにきて、無意識に食育を学び、住民とも交流を持つ。大人は子供を媒体としてここでコミュニティを形成し、希薄になってきつつある住民同士の関係性をふたたび強める。それらのことがここを地域住民にとってのコモンとしての認識を与え、地域の記憶を製造し続けることになる。また、そこで遊んだ子供は大人になり、子供を連れてまた遊びにくる。そこは過去の記憶の上で、新しい記憶、関係が生まれ続ける工場という公園である。
- Date: 2011 修士制作
- Location: 東京都大田区
- Awards: 武蔵野美術大学修士制作 学校賞