Works
- Title: 水路の物語を紡ぐ
- Name: 野口 友里恵
- Location: 福岡県大川市
- Date: 2014 卒業設計
- Awards: <p>武蔵野美術大学卒業制作 金賞<p>
武蔵野美術大学卒業制作 学校賞<p>
JIA 第24回 東京都学生<p>卒業設計コンクール2015 銀賞<p>
日比谷ランドスケープデザイン展 優秀賞<p>
- Data: 福岡県大川市に水路を軸としたフィールドミュージアムパークを計画した。
福岡県の南西部にある大川市には、市の面積の約20%を占める全長300kmの水路が現存している。この土地に存在する水路の成り立ちを産業の発展の時間軸と共に、「水路の物語」として弥生時代から現代までひもといていき、現代から先の水路と産業の関係のあり方を、水路の物語の続きとして提案した。
弥生時代、有明海の満潮時に沈む低地だった場所を盛土してできた無数の掘割から水路の物語は始まる。掘割に水が溜まり水路になり、それを繋ぎ農業用水路が誕生し、室町時代には水運で流入する木材を水路に引き込み貯木した後に加工し、木工業が生まれた。水路から「農業」と「木工業」という2つの産業が生まれたこの土地の2つの産業とその水路の関係は時代と共になくなり、今、水路は埋め立てられようとしている。物理的にも時代の流れとしても途切れてしまった水路の続きを紡いでいくように、大川市の水路と産業の関係を再考した。現代におけるこれからの水路利用も含め、再び水路が軸となる次世代の大川市の産業構造と風景を、「フィールドミュージアムパーク」というプロトタイプとして提案した。