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- Name: 山下 純司, 太地漁港
- Data: 和歌山県東牟婁郡太地町、人口約3000人の小さな漁村である太地町は、昔から捕鯨の町として有名だ。この小さな町は近年、海外の環境保護団体の過激なバッシングにさらされている。しかし、太地町のアイデンティティは確実に捕鯨であり、捕鯨の町としての特色を生かしていく事がこれからもこの町にとって重要であると感じる。
そこで太地町とクジラの関わり方が明確化された、クジラ漁のリアリティーを感じながら生活する場所を提案する。
現在のクジラの解体は、施設の中でひっそりと行われているが、元々、太地での鯨の水揚げと解体は、住民たちの見物の中で行われる地域の重要な行事であった。そのイベントで住民は海からの恵に喜び、その命に感謝した。町に昔からあったこの行事を現代に再現することによって、太地町らしいマチのあり方を感じ、考える拠点とする。現在太地漁港でほとんど使われていない駐車場を、町の住民と観光客の両者にとって町の中心となるよう計画した。
地方は均質に発展してきたが、その発展により地方の個性が隠され、見えなくなってしまった。個性とは、文化や景観といった良い面と同時に、自然災害という悪い面もある。想定外に対応することは不可能なのだから、自分がいるその場所をリアルに感じながら生
きる事が大切なのではないだろうか。
- Date: 2011 卒業制作
- Location: 和歌山県 東牟婁郡 太地町